理解すべきマイナー規格とは? 『UL508A』『NFPA79』以外の規格を解説
2025年4月21日
リスク低減に向け理解不可欠な規格
産業用機械類における米国での主要規格は前述の通り『UL508A』と『NFPA79』ですが、両規格だけでは装置の出荷時に装置全体を認証することができず、Field Evaluation を選択することになります。
ただ、現地評価であるため現地での改造リスクをゼロにすることができません。
そのリスクを低減させるために、いくつかの条件を満たして「認証」という方法を選択することができる場合があります。

UL2011
NFPA79と類似した要素を扱うアウトライン規格です。
大まかな要件を規定しているだけであるため、認証できる場合は限られますが、いくつかのNRTLはこの規格での認証を比較的広い範囲に適用できます。
UL61010-1
測定、制御、および試験・分析機器の規格で、主にラボ用途の製品を対象としていますが、製造ラインの検査設備などでも適用できる場合があります。
産業用機械類の規格と比較すると使用できる機器の範囲が広くなりますが、試験の項目が多くなります。
NFPA79、UL508A、およびその他規格を組み合わせた評価
NRTL各社様々ですが、複数の規格をまとめて特定の装置専用の評価スキームがある場合があります。
その組み合わせスキームはOSHAのWEBサイトでも確認ができないため、NRTLに個別に確認をする必要があります。
なお、組み合わせスキームはNRTLごとにかなりばらつきがあるため、ある認証機関で認証できたとしても、別の認証機関では認証できない、といったことも多いため注意が必要です。
UL規格対応を依頼する場合、「日本法人の多くのNRTLの特徴を把握できている」こと、それらのなかから「メーカー様のご要望に応じた最適な認証機関を選択できる」企業に依頼することがポイントと言えます。
制御盤と海外規格 大辞典
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