北米向け規格(UL508A)への対応制御盤の設計とEPLAN活用による短納期対応
福岡県 T社様- #設計
- #製造
お客様の課題
T社様は国内向けの制御盤の設計・製作の豊富な実績をお持ちでしたが、北米向け制御盤の設計においては、部品選定と規格対応が必要となり、UL 508A認証ラベルの発行も求められました。そのため、UL508Aに適合した設計・製作実績のある弊社にご依頼を頂きました。
弊社による課題解決
国内向けの回路図を参考に部品の規格見直しと再選定を行い、UL508A規格に準拠した回路図に変更しました。
RITTAL社製のステンレス製認証筐体の納期が長かったため、今回の製作数は5台と多く、筐体が到着してから製作を開始すると他の製作案件も集中する時期と重なり、ご希望の納期に遅れる可能性が高い状況でした。そのため、弊社では電気CAD「EPLAN」を最大限に活用し、設計段階から各製作段階で使用できるデータを作成することにしました。
その結果、EPLANから自動出力されたデータの活用することで、筐体や部品がまだ手元にない状況でも、漏れなく事前準備を効率的に進めることができました。この方法により、通常の手法よりも工できました。
長年にわたって蓄積してきた三笠精機のEPLAN活用のメリット
今回のお客様対応で貢献したEPLANの活用についてご説明します。
■ルーティング機能を活用したメリット
・ソースとターゲットの接続先情報
・電線の種類・長さ・サイズの情報
・圧着端子種類とサイズの情報
・線番・向きの情報
・設計者が考えた配線ルートの情報
上記のような電線加工に必要な情報を全て含んだ布線表(単線加工表)をExcelファイルベースで出力します。これにより、都合の良い順番で一括して加工が行えるため、ミスを最小限に抑えることができます。なお、電線加工に関する工数は制御盤製作の中で6割を占めると言われています。
■その他のメリット
・配線作業時は図面を確認する必要がなくなり、初心者でも作業が可能になります。
・接続情報と長さが確定しているため、配線ミスを最低限に抑えることができます。
・設計者が考えた配線ルート通りに確実に配線が行われ、量産品の場合にも整合性が確保されます。
・電線の無駄遣いがなくなるため、環境に貢献することができます。
以上のようなメリットを付加価値として提供しております。
ご参考:通常の電線加工の流れ
1.図面上で接続先や電線種類・サイズを確認する。
2.電線を引っ張り、ソースとターゲットに合わせて長さを測定し、切断する。
3.実際の部品を確認して、端子の種類やサイズを確認する。
4.マークチューブの向きを確認し、通す。
5.電線の皮をむき、圧着する。
熟練者であっても、これらの作業を繰り返しミスなく完璧に作業するのは非常に難しいですが、EPLANを使用することで電線加工の作業を効率的に行うことが可能となります。
■弊社独自設定で活用できている他の製作データの自動作成機能
・筐体加工データ
・機器シール作成時に使用される機器リスト
・端子台記銘板の作成時に使用される線番リスト(ジャンパーも自動表示)
・部品取り付け時に使用されるサイズと長さ付き配線ダクト・DINレールのリスト
・マークチューブ印字時に使用される線番リスト
これらのデータはすべてExcelベースであり、使用する際にはプリンターにインポートするだけです。
■その他、お客様とのやり取りの中でミス、時間、手間の削減に貢献する自動出力Excelファイル
・部品集計表
・PLC IOリスト
・スイッチ、タイトル銘板のリスト
・穴加工(種類、サイズ、座標)リスト
弊社は今後も海外規格対応のノウハウや経験を深めるだけでなく、製作用データの自動出力テンプレートの最適化にも取り組んでまいります。これにより、より多くのお客様の短納期対応製作や制御盤のデータ整合による手間やミスの削減などのニーズにお応えできるように努力してまいります。
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数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。
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