制御盤海外規格 UL規格/NFPA規格対応

ULレコグニション認証製品を使用し、万全な安全回路を実装した確かな規格対応サービス

福岡県プレス機メーカー・T社様

導入前の課題(今回の依頼内容)

プレス機メーカー様からの依頼。エアを用いた小型プレス機制御盤のNFPA79(*1)およびUL508A(*2)規格対応で、制御盤設計、製造、UL認証ラベルを貼る最終段階までの一連の対応を依頼いただいた。

導入効果

お客様からの依頼内容は、UL508Aへの適合と、安全回路をしっかり構築することの2点。お客様の製品がプレス機であることから、安全カバーが外された状態で装置に人が近づいた際に、確実に安全停止できる設計が必要となる。もちろん安全対策はすでに講じられていたが、万が一火災等の事故が発生した場合に、桁違いの訴訟費用や損害賠償リスクが発生するのが米国の怖いところ。その意味でも、厳しいリスクアセスメントの再実施が必須となる。

今回の装置でUL508Aの設計を構築するにあたり壁となったのは、制御機器に含まれていた「ULレコグニション認証製品」(*3)の存在である。UL508A認証制御盤では、特定の条件を除き、基本的に「ULリステッド製品」で全て構成する。例外として、ULリステッド製品ではないものの、特定の使用条件下に限り使用が認可される「ULレコグニション認証製品」というカテゴリが存在する。

今回の場合、日本製のロボットシリンダーのコントローラがULレコグニション認証製品に該当し、UL508A認証をするにあたり特定の条件をクリアする必要があった。このような場合、まずULレコグニション認証製品をULリステッド製品に置き換える方法を考えるのがセオリーであるが、ロボットシリンダーは装置の動きの肝となる部分であり、他社のULリステッド製品に変更すると装置の動きが再現できない可能性が懸念された。

そこで、そのULレコグニション認証製品を使用するにあたり、弊社のノウハウに基づく提案を行い、何とかその製品を使用する方向性をまとめることができた。お客様にもその案で納得いただき、最低限の変更で、万全な安全回路を実装したUL508A認証制御盤を完成させることができた。

アメリカでは機械装置の稼働前に規定執行官（AHJ）(*4)の据付検査が必ず行われる。ULレコグニション製品を適切に使用していないことで、指摘を受ける企業も年々増えている。AHJから受けた指摘に対しては、適切なネゴシエーションができない限り、必ず改善をする必要がある。指摘を受けて新たに設計や改造、場合によって制御盤の再製作をするとなると、かなりの費用と時間が発生し、ユーザーにも不便をかけてしまう懸念がある。

NFPA79およびUL508Aに精通した弊社なら、今回のように確かな規格対応サービスを提供することができる。

*1 NFPA79（National Fire Protection Association）：全米防火協会が定める産業機械用電気安全規格
*2 UL508A：アメリカ保険業者安全試験所（Underwriters Laboratories Inc.：UL）が定める製品安全規格ULのうち、産業用制御盤に対する規格
*3 ULレコグニション：ULにおいて、主に最終製品に組込まれる部品や材料に適用される認証。特定の使用条件下でのみ使用可能である製品がある。UL Recognitionと表記される。
*4 Authority Having Jurisdiction：米国では規定執行官が管轄するエリア（群・市・州レベル）で設備の設置方法、使用方法を決定する権限を規定執行官が有しています。火災・損害保険業の企業の担当者、消防署の担当者、場合によっては認証機関が担当をする場合もあれば、組織ではなくその役割を与えられた個人の場合もある。